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RHS Orchid Show ・ RHSラン展

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RHSラン展が、今年も3月14日(金曜日)の午後6時半より9時までの、ワイン片手の内覧会で始まり、15日(土曜日)、16日(日曜日)の午前10時から午後5時まで開催された。今回はわたしも絵を8点展示したので、金曜日に搬入、その後ほしいランを物色し、内覧会が始まる前に全て確保してから、土曜日、日曜日と3日とも参加。お隣は、同じく英国ラン協会会員の写真の展示。英国ラン協会ももちろん展示しているので、多くのメンバーにも会い、とても楽しいラン展となった。参加するというのは楽しい。

絵を展示するにあたり、わたしの絵に関心を持っていただいた方2人に連絡を取ったのだが、去年はラン展にも行くと言っていた一人は仕事で来られず、もう一人の方も是非会いましょうとのことだったのが、仕事で来られないことになり、がっかりしてしまった。どちらにせよ、再度連絡はとるし、お一人とはかなり近いうちにお会いすることができるとは思うのだが。

今年も、ペルーでお世話になったペルーフローラにラン(3属11種)を事前注文。そのほかにもいくつか購入。難しいと思っていながら去年買ったマスデが、花はなかなか咲かないものの、なんとか比較的問題もなく育てられたので、それに気をよくして、今年は購入数が増えてしまった。

購入したランは以下の通り。

原種

  1. Cattleya maxima: 本当はRuiz & Pavónが発見したというラン。Sobraliaに分類したようだが、発表には至らず、その50余年後に、標本はLindleyの手に渡り、LindleyによってCattleya maximaと発表されたのだそうだ。 もしもRuiz & Pavónが発表していたとしたら、今頃カトレヤ属ではない別の属名ができていたことだろう。」と去年書いたのだが、これはごく最近だめになったので、再度注文。
  2. Masdevallia cyclotega
  3. Masdevallia dura
  4. Masdevallia elegans
  5. Masdevallia lamprotyria
  6. Masdevallia lilacina:  これは、先月お手伝いをしたオークリー博士のスライドにあって感激したマスデ。リストにあるのをみつけ、すぐ買うことに。
  7. Masdevallia rima rima alba: これは、去年購入したMasdevallia unifloraの白バージョン・・・のような花。Masdevallia uniflora albaではないところを見ると、別の種なのだろうが。地元のインディオの言葉、ケチュア語で、Masdevallia uniflorarima rima(リマリマ)と呼ばれていたそうだ。
  8. Masdevallia strobelii: これはいい匂いがするマスデ。
  9. Masdevallia wurdackiiRestrepia antennifera: 去年購入すれど、すぐに枯れてしまったので、再度購入。
  10. Restrepia trichoglossa
  11. Bulbophyllum lobbii: ラン協会で見て、以前から興味のあったバルボ。
  12. Psychopsis papillio: ペルーに行く時に見たいと思っていたのだが、地元でも数が減っているとのことで温室の中でしか見ることができなかった。その思いがあるので、ついこだわってしまった。花が咲くまでにはまだ数年かかるという小さい株。
  13. Leptotes pohli tinocoi: ブラジル産。新種という言葉に惹かれて購入。帰宅後ネット検索してみると、きれいな花なので、とても楽しみにしている。咲くかしら?

交配種

  1. Trichopilia n.r. (tortilis ‘Large’ x turialbae ‘Alpha’): 本当はTrichopilia tortilisがほしいのだが、去年も今年も見当たらなかった。代わりに見つけたのがこれ。Trichopilia tortilisのねじれの特徴がよく出ているので、これはおもしろいかも。交配種だから原種よりも育てやすいかもしれないし。
  2. Psychopsis Mariposa ‘Green Valley’: やはりこだわりのPsychopsis。原種を見つける前に見つけた交配種。交配種だから易しいかなという期待もある。ただ、花芽が出ていたのだが、長く伸びているのが気になったものの、株としては一番大きいかとこれを選んだのだが、家路に向かう途中、もうすぐ咲くと思っていた花芽の先のつぼみは…。なかった。残念。
  3. Blc. Beauty Girl ‘Cukova’: どうせのことなら大型のカトレアも、絵を描くにはいいかもと購入。下も同じ。
  4. Blc. :

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ペルーフローラのマノロには、金、土、日と3日連続で話をした。

英国ラン協会(Orchid Society of Great Britain)3月例会

今日の話は、2006年に行われたエクアドル・ラン紀行。来年4月に予定されている英国ラン協会としては2度目のエクアドル行きを念頭においてのトーク。どんなルートで回るのかとか、どんなホテルに泊まるのかということも含めてスライドを見ながら話を聞いた。

ランの写真としては、ペルーと同じく、マキシラリア、エピデンドラム、プレウロタリス、オンシジウムなどが多かった。カトレア・マキシマ(Cattleya maxima)の濃いピンクの花がたくさんついた大株の写真もあった。去年3月に購入したわたしのマキシマは、最近になって葉をどんどん落としてしまったので、2週間後のラン展で再度購入予定。

ほかに興味深かったのは、コノハチョウ(Kallima inachus)によく似たチョウ(かガ)をはじめとする擬態する昆虫。ただし、コノハチョウ属はインド・東南アジア中心に生息しているそうなので、エクアドルのものは、よく似てはいるものの違うものなのだろう。

Masdevallia amabilisを購入。

ちなみに来年4月に予定されているエクアドル行きのツアーは、4月3日(金)~19日(日)で、1700ポンドだそうだ。会員でなくても参加できるので、行きたい方は乞う連絡。

Lycaste aromatica No.6

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去年の今頃、オークリー博士からもらってきたアロマティカに花芽が出てきている。何だか責任重大なような気がして、ヒヤヒヤしていたが、あれから新しいバルブが2つ育ち、それぞれから7本ずつ花芽がついている。去年は5本だったようだから、少し大きくなったのかなとほっとしている。

手前のバルブに7本、左奥のバルブに7本。右奥に見えるのが、去年のバルブである。

マスデバリア属専用の温室見学記No.2

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入り口を 入ってすぐのところを、内側から見ると、こういうふうになっている。電気のコンセント、タイマー、水道などがひとかたまりになっている。上のほうからやや下向きにあるのは、これは照明に色をつけてみたらどうなるのだろうと実験をした結果らしい。
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ドアから入って、そのままの方向で向かって左の壁(南側)。

アルミのさんが横に渡してあって、そこにポットをかける形で整然とランが並んでいる。そのポット(プラ鉢)のすぐ下には、雨どいが切っておいてあって、水遣りをしたときに、その水が下に落ちないようになっている。これは仮にヴィールスつきのランがあっても、下のランに影響を与えないということのほかに、温室内の湿度を保つのにも役立っているそうだ。

プラ鉢の中、植え込み材は全てニュージーランド産のミズゴケ。それを軽く入れた中にランが植わっている。手で持ってみて、その重さによって水遣りをしているそうだ。

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これはドアを入って正面。以前は向こう側に台をおいていたそうだが、それでは収納数が少なくなるので、こういう方法に切り替えたとのこと。頑丈なメッシュの可動式の棚(?)が2つ並べてあり、両方からランをつるしている。鉢の下はもちろん、雨どい。

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可動式の棚2つの横の、この温室の北西の角。再び壁に取り付けてある。屋根が明かり取りになっていて、南側へ傾斜しているのがよくわかる。

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ドアを入って、一番右側の壁(北側)。

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そして、その上には換気扇。

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英国ラン協会(Orchid Society of Great Britain)9月例会

今回のトークは、フラグミペディウム(Phragmipedium)の育て方についてだった。フラグミペディウムは、メキシコから南アメリカにかけて、15種~20種自生している。去年ペルーに行ったときに、是非見たいと思っていたランの一つが、この中のPhragmipedium caudatumだった。理由はいくつかあったのだが、そのうちの一つは、ペタルが、地面に着くまでどんどん長く伸びるという話がとっても不思議だったから。

写真はここをクリックしてください。

ペルーでは、自生している株を少し離れた所から見たが、そばまで行って観察したわけではないし、花も、終わりかけの一つをのぞいて、全く目にすることができなかった。ちょっと遅かったようだ。今になって、花がなくても近くまで行って観察してくればよかったと少々後悔している。というのは、フラグミは水がとっても好きなランだそうだから、一体どのくらい水に近い所に自生しているのか、また周りに水が見えなければ、どうやって水を確保しているのか、ちょっと観察して来ればよかったなと思うからだ。今日話してくれた人は、1リットルの鉢に、水を1リットル半使うと言っていた。

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一番おもしろかった点は、シナモン・パウダーの使いみち。株が部分的に腐ってきた時、痛んだところを取り除き、あとにシナモン・パウダーを山ほどかけておくと、治るんだそうだ。びっくり。今度試してみたい。